140字の外

140字に収まらないもの置き場です。始まりは天保十二年のシェイクスピア。

王家の紋章2021

8月27日マチネ&ソワレにmyラスト王家を終えてきました。

楽しい楽しい王家月間が終わってしまった。それは本当に淋しいなぁと思うけど、それ以上に自分の最後の東京公演を見届けられたこと、そしてこれを書いている今日8月28日、東京楽の日までこの作品が辿りついたことが本当に嬉しい。浦井さんもおっしゃっていたけれど、この状況下で辿り着けたこと、本当に「奇跡」だと思います。その奇跡が起こったこと、奇跡を見られたこと、とても幸せです。

どうかどうか、博多公演も最後まで、皆さん元気な状態で走り抜けて欲しいなと思います。ミュージカル王家の紋章を観て、元気を沢山いただいた一観客として、心から願っています。

 

 

さて、今回複数回王家の紋章を観ることができて、それはそれは毎回楽しかったんですが、私自身、「ダブルキャスト×複数」の作品にこんなに通ったのは初めてだったので、いやもう、めっちゃくちゃ面白かった。入れ替わるキャストで生まれる全体の変化、それぞれの組み合わせで起きる化学反応、見ていてこんなに面白いんだなとびっくりしてしまった。当たり前だけど、その役を生きる役者さん次第で役の印象も、作品の印象も本当にまるっと変わるんだなぁと。

 

原作未読民なので、役への解釈の正解は私には分からないんですが、ちょっとした仕草、姿勢、口調、声色、そしてそれらがあの時間の中でどう変化していくのか、その中にその役者さんがその役をどう捉えられているかが表れていて、見ていてとても興味深かった。片方を見るだけでは分からなかったことが、両方見ると分かったりする。両方のキャストを見て、相対的に捉えて初めて片方の解釈に気づいたりして。「あ、あの役者さんはこういう風にこの役を、場面を捉えていたのか」と、もう片方の役者さんのお芝居を見て気付く、みたいなことが沢山ありました。

ちなみに私も漫画はよく読むので、原作民として実写化されたものを見ると「ぐっ、解釈違い………」とかなったりもするんですが、今回は解釈ゼロ真っ新ベースで見ることができたので、全部「わ〜〜この辺とか全然捉え方役者さんによって違うんだろうな〜〜面白〜〜い」と呑気に楽しんでました。とはいえ、原作民の皆様は更に別の楽しみ方が沢山あるんだろうし、それはそれでめちゃくちゃ楽しそうだな……読んで臨んでもみたかったな……と感想ツイを見ながら思ったりしました(中々に長いから手を伸ばせないでいるのだけど、読んでみたいな、原作………)。

めちゃくちゃ解釈解釈言っちゃった。でも本当にそれぞれ役の解釈の違い、その表し方、表れ方の違いが面白かったので。

 

ということで!

既に王家の紋章の感想は2回ほど書いたんですが、今回はWキャストの皆さんのことを沢山喋りたくてまた書き始めました。本当に沢山喋りたい。覚えてるうちに「あのね、ここのね、あの人がね!!!」って本当は誰かにひたすらマシンガントークしたいぐらいの勢いなんですが、残念ながら相手もいないのでここに沢山書き置いておきます。

さて、以下、あくまでも私が見て受け取ったそれぞれのキャストの方々への私の解釈なので、一観客の妄想かなぐらいの感じで読んでいただければと思います。

 

1. キャロル

誰から書こうか迷いましたが、まずはキャロルについて。

お二人とも可愛さの種類が違うけど、可愛い少女漫画らしいヒロインだな〜〜と思いました。キャロル、求心力のある女の子(古代エジプトでナイルの娘と崇められる設定もあり)なので、圧倒的なヒロイン力(みんなの視線を集めちゃう、みんなが好きになっちゃう!に説得力を持たせられる)が必要そうな役柄だなあと思うんですが、お二人とも違う意味で強く可愛いキャロルとして存在していたので、ばっちり惹きつけられました。

 

神田キャロル

天真爛漫、好奇心旺盛、目が常に自分の興味対象へ向けてキラキラしている、負けん気が強く物怖じしない、無鉄砲で逞しい強さを持つキャロル。少女漫画の主人公にめちゃくちゃよくいるタイプ!!!メンフィスへのビンタも全力でくらわしてそう。「えっっ心臓タフだね…?!」ってちょくちょく驚くけど、何があっても力技で乗り切りそうなので安心して見ていられる。キャロルって多分頭は良いキャラクターなんだと思うんですが、神田キャロルは確かに無鉄砲だけど地頭が良い感じがする。性格としては危なっかしいしヒヤヒヤするけど、地頭は良くて頭の回転も速そうなので、記憶力が良い(とっさに現代の知識をフル稼働して役立てる)のも頷ける。

神田キャロルの魅力は何と言っても圧倒的キラキラ感だなぁと思います。登場曲「憧れに生きる」でばっちりこちらの心を掴んで、王家の紋章の世界に連れていってくれる感じ。神田さんの声って、話す声にしても歌声にしてもすごく主人公向きの声だなぁと今回初めて生で聴いて思いました。上で求心力と書いたけどまさにそれで、喋り始めた瞬間「あっこのお話はこの人が中心に立つんだな」とパッと分かる感じがする。華があるし、キラキラしてるし、くるくる変わる表情も可愛いし、お目目もめちゃくちゃ大きくて輝いていて、少女漫画ヒロイン力満点のキャロルでした。

 

木下キャロル

可憐、聡明、気品がある、芯が強い、美しく可愛い、まさに蓮の花なキャロル。確かにこんな女の子が突然ぱっと現れたら「ナイルの女神」「伝説の娘」と崇め讃えたくなってしまう。慈悲の心や優しさがベースにある感じがするので、民を愛し愛される王妃になりそう。

見れば見るほど「木下キャロルの笑顔を奪うやつは俺が許さん……!!」と心がウナスと化すし、木下キャロルが笑っていればエジプトに平和が訪れる気がしてしまう。キャロル強火担を大量に作り出しそうな可憐さがある。本当に可憐。可憐って言葉がこんなに似合う女の子がいるだろうかっていうぐらいに可憐。ただ、可憐だけに収まるわけではなく、中心に強い芯を持っている女の子なんだなという感じが時折ふっと表れる。

神田キャロルが喜怒哀楽でいうと「怒」「楽」が印象に残るキャロル(楽しい時は細かいこと全部忘れて超楽しんでるし、前半はメンフィスに対して何この男?!のプンスコ感がとっても強くて好き)だなと思うんですが、木下キャロルは「喜」「哀」、特に「哀」が強く印象に残るような気がします。

それが強く出るのが、例えばヒッタイトとの戦争で、「私のために戦争が起こる」と歌う場面、普通にいくと「私のために争わないで〜〜」の典型なのでちょっと心が「おぅ………」と引きそうなんだけど、木下キャロルのその言葉はすごく切実で真剣で、悲痛な叫びとして伝わってくる。あと、メンフィスが蠍に刺された後、葛藤している場面も、瀕死状態なんだから歌ってないで早く助けてあげなよ……って場所で歌わせるなぁと思うんですが、木下キャロルは本当に、目の前のメンフィスを救いたい、けれどそのために歴史を歪めて良いのか、歴史を学ぶ者して持つ聡明さと、目の前の人を救いたいという自分自身の思いとの間で、片方を選ぶことに心から苦しんでいるように見えるから、つい聴き入ってしまう。

木下キャロル、苦しさが切実なんですよね。特に、セチが戦争で命落とす場面の木下キャロルは本当に苦しそうで。自分のために、自分のせいで、セチが死んでしまったと悲しみ、悔やみ、苦しそうに涙を溢す。悲しみを嘆くというよりは悲しみを逃さず抱え込んで、連れ添えて強くなっていく人なんだなという感じがする。だからこそ、捕らわれた後メンフィスと再会した時の安堵した表情に、その後メンフィスを守るためにメンフィスを突き飛ばして自ら捕まりに行く覚悟に、最後の決闘の場面での決意にぐっときてしまう。木下キャロルは元々気が強い女の子というよりは、強さが必要とされる状況の中で彼女の中にあった強さが引き出される、恐怖や悲しみの中でもそれに呑まれない強さが自ずと表れる、という種類の強さだなと思いました。

たまたまなんですが回数的に木下キャロルをかなり多くみたので愛が重いですね、めちゃくちゃ書いちゃった。大好きです、木下キャロル。

 

キャロル×メンフィス

はい、既にキャロルだけで予想以上に大ボリュームになってますが、メンフィスに対するキャロルも割と違っていて面白かったので書きます。

メンフィスが蠍に刺され助かった後、ナフテラとミヌーエ将軍から話を聞かされたキャロルが「いつも危険と隣り合わせ それが分からず 恐れ嫌っていた」と歌う場面があると思うんですが、前半部分で「嫌い」が強いのが神田キャロルで、「恐れ」が強いのが木下キャロルという感じが個人的にはしました。

神田キャロルは上にも書きましたが、基本メンフィスに対して強気なのがめちゃくちゃ好きです。The 恐れを知らないヒロイン。古代のファラオだか何だか知らないけど私は現代のアメリカ人、自由意思こそ全て!奴隷?そういうのは断じて許しません!という、その時代の「当たり前」に負けない意志の強さが好き。メンフィスのファラオパワーに負けないアメリカ人キャロルパワーを持ってる感じ。初めて綺麗な衣装を着させられメンフィスの前に連れてこられた時も戸惑いより「何か連れてこられたし服着せられたし、何なの…?!」みたいな怒りの方が強そうだし、プイプイ合戦が本当にコミカルで、「何よこんな男!ふん!」って声が聞こえてくる。からの、一転してメンフィスを好きになってからは、可愛くてパワフルに大きな愛を放つ女の子という感じで、愛情表現もストレートそう。私がメンフィスだったらその前とのギャップに完全にやられてるなと思います。個人的ベスト神田キャロル×メンフィスシーンは、最後の結婚式です。幸せいっぱいの笑顔が可愛くて国民とともに祝福したくなる。ちなみに神田キャロルと結婚したらメンフィスは絶対尻に敷かれると思う。エピローグを見たい。

対して木下キャロルは、メンフィスに対して怒っているというよりは「信じられない」「何でそんな酷いことをするの」「分からない」という感覚で、理解しがたい価値観を持ち、加えて圧倒的な力を振るう男であり王であるメンフィスに対する、分からなさと怖さがベースにある感じがする。ただ、怖いからと言ってそれに大人しく従いたくはない、私には私の意思がある、思い通りになると思わないで、と自分の意思を譲らないの芯の強さがある。何をしてくるか分からない、かつ強い力を持つメンフィスへの恐れとそれに負けたくはないという意志の強さが共存している感じがしました。そんな木下キャロルがメンフィスと恋に落ちてからは、ひたむきに真っ直ぐにメンフィスを愛していてとにかく可愛い。ただ、後半の木下キャロルはすごく「この人を守らなきゃ」と思ってしまいそうな強さと格好良さと危うさを持っているので、お母さんはちょっと心配です。個人的ベストシーンはメンフィスとヒッタイトで再会する場面。8/21マチネの、浦井メンフィス×木下キャロルが5連続続いたラスト回(だったと後から知ってなるほど…となった)、あの時のキャロルが本当に素晴らしかったです。メンフィスと再会して安堵の涙を流し、メンフィスへ愛を告げる木下キャロルが本当に真っ直ぐで美しくて、それを受け取り支える浦井メンフィスが頼もしくてちゃんと愛を知る男の顔になっていて、本当にめっっっちゃくちゃ良かった………良かったです………ありがとう…ありがとう………

  

 

 

2.メンフィス

はい、お次はファラオ、我らがメンフィス様。

これは私の推し事情もあり、浦井メンフィスを中心に見ていてめちゃくちゃ観察に偏りがあるので、あえて印象をざっくり書きます(浦井メンフィスに関しては言いたいことが山ほどあるので別で書きたいな)。

浦井メンフィス

今回が3回目の浦井メンフィス。私が生で見たのは今回が初めてですが、初見時に感じたのがまず圧倒的にファラオであるということ。冒頭、奥から出てきた時点でもう何か、王がそこにいる、と分かる。人は普段背中を意識しないけれど、そこにこそその人が表れる、だなんて聞いたことがありますが、まさに背中から王を感じるメンフィス。後ろを振り返った時、背中に乗っかっている王としての貫禄がすごい。

浦井さんのメンフィスは、すごく二面性があるなと思います。「少年王」が「少年」と「王」に分かれるのが浦井メンフィスという感じがする。王になるべくして生まれ、王になる者として育てられた男。王としての威厳、姿勢、矜持を常に持っていて、王としての自覚も強い。平伏し、媚び、諂って、恐怖さえ滲ませられてきたんだろうなと分かる王。でも一方でどこか子供っぽく、気性が荒く、どこか人間らしい面も併せ持つ。そのメンフィス自身が持つ性質と、王として生きてきたゆえに培われた王としての性質がマーブル模様のように混ざり合っているメンフィス。

浦井メンフィス、とにかく王としての威厳というかパワーが全身から帝劇中に放たれているので、ただ座席に座るだけでファラオパワーを全身に浴びさせられる仕様だな…と思うんですが、特に序盤の即位の儀の場面、階段の上に立つメンフィスを1階席から見上げるとつい両手を上げて崇めたくなってしまう。わぁファラオだ、ファラオがいる……と思って上を見上げてしばらくミタムン王女並みにうっとりした顔で「メンフィス様…」と見つめてしまう現象が起きます。あの最初からメンフィスを見上げさせる構図ずるい。「ファラオは太陽〜〜」の歌で、あっ本当だ、太陽がいる…私太陽を見上げている……という気持ちになる。最初から心掴んでくる圧倒的ファラオ。そんな訳でそんなメンフィスのゴリゴリのファラオ感を味わえる曲として、私は浦井メンフィスの「ファラオとして」がもう本当に好きです。メンフィスの雄々しさ、荒々しさ、王としての強いプライドがもう最初の「ファラオとなる〜」の一言目からブワッと客席まで届いて迫ってきて鳥肌が立ってしまう。何というかあの曲、メンフィスに絡めとられるんですよね何かを、何なんでしょうあれは…。あと終始尊大なご様子なのも非常に好きです。

 

海宝メンフィス

海宝メンフィスは本当に「少年王」だな、と思いました。若く、爽やかで、未来への期待に満ちていて、それでいて淡々と冷酷で絶対的な王として振る舞う。海宝さんのメンフィスは、少年と王とがくっついているんだなぁと思います。ファラオとして育てられた若い少年が王になったらこういう存在が生まれるのだろうという説得力がある。少年であり、同時に王である人。メンフィス本人のアイデンティティと王という立場が地続きで、自分でありながら王である、王であることと自分であることが一体化している、そういう存在の仕方をするメンフィス。ここの違いが個人的にはすごく面白かったです。

台詞ひとつとってもまるで印象が違うのが面白くて、例えば墓荒らしの罪人達を殺した後、キャロルになぜ何の申し開きもさせずに殺したのかと責められる場面でメンフィスが「定められた処罰だ」と答えると思うんですが、ここの海宝メンフィス、まるで「?ポストは赤いだろう」みたいな、何を当たり前のことを、という表情で淡々で答えるんですよね。浦井メンフィスはこう、なぜ目玉焼きにソースをかけないのかと咎められて「なぜだと?目玉焼きには醤油だろう…?!」ぐらいの(例えがわけわからないのはスルーしてください!)、それが当たり前だとは思いつつもキャロルに対する若干の弁解感が含まれているときがあるんですが、海宝メンフィスは本当に何を言っているのか分からない顔をする。あとは拷問していてなかなか吐かない男に、舌を切り腕を切り落とせと命じる場面、浦井メンフィスは痺れを切らして、もう良い知らん!!という感じで感情が昂ると残虐さが増す印象があるんですが、海宝メンフィスは「吐かないのならその男の舌に用はない、不要なのだから切り落としてしまえばいい」と言っているように聞こえるんですよね。淡々と当たり前に惨いことをする。そういう意味で、すごくリアルに古代エジプトのファラオがそこにいる感じがしてすごいなぁと。若さゆえの真っ直ぐさと共存する無慈悲な残虐性が逆にめちゃくちゃ怖い。絶対話が通じないファラオ。

さて、今回海宝さん初めましてだったんですが、帝劇2階センターブロックに座っていたらもう歌声が全く勢いを落とさずに真っ直ぐスパーーーーン!!!!!!って飛んできてすっかり聞き惚れてしまった。お歌が本当に素晴らしい。その声の真っ直ぐさ、強さと、海宝メンフィスの曇りなき目で王としての未来を見つめる真っ直ぐさ、迷いのなさとが結びついていて。ちなみに個人的に海宝メンフィスの推し曲は「今日の私に」です。若い王が、これからの王として生きる自分の日々に、自分の治める国の未来に希望をもって高らかに歌い上げるこの曲、少年王として生きる海宝メンフィスにぴったりの曲だなぁと思ってうっとり聴いていました。

 

メンフィス×女

いや、これは本当に書きたかった。

女、というのは主にキャロルとアイシスとミタムンのことになるんですが、浦井メンフィスと海宝メンフィス、本当に女への意識も扱い方もまるで違う。

これに関してはだいぶTwitterでもわーわー言ってたんですが、浦井メンフィス、ほんっとうに女慣れがすんごいんですよ…。その気のない女(ミタムン王女)の腰を引き寄せてはこの国で一生を過ごされるか、とか甘い声で適当に口説くし、その気のない女(アイシス)に思わせぶりな視線送るし手の甲にキスするしもう終いには薬指に指輪はめるし……なんて、なんて罪深い男……

そんなわけでそのあたり海宝メンフィスはどうなんだろう、とすごく気になっていたんですが、いや こちらはこちらでもう、完全にキャロルが初恋だった……初恋というか、そもそも初めて興味を持った女がキャロルだったという感じ。

なので、例えばキャロルにビンタされたとき、浦井メンフィスは、「なぜ百戦錬磨のこの私になびかぬ…?ファラオだぞ…?私に誘われて喜ばぬ女などいるのか…?!」という困惑からのThe「おもしれー女」というキャロルへの興味、つまり少女漫画でいうところのむちゃくちゃモテるし女に苦労したことはないし女遊びもしてるけど実は誰にも恋したことないタイプのあれなんですが、海宝メンフィスはただ単純に、「今まで自分に逆らってきた人間などいないのに、この娘は逆らった上に、私を叩いただと…?どういうことだ…??なんだこの生物(女)は…?」という性別に関係なく純粋な困惑、絶対的な王である自分に初めて歯向かってきた人間への興味からスタートしているような感じ。ミタムン王女に例のプロポーズ紛いの言葉をかけるときも、浦井メンフィスは別に興味ないけどとりあえずこうしておけば女は喜ぶ、というのを知っていてあれをやっていて、海宝メンフィスは女に対して、というよりは自分を敬い従う人間の一人としてミタムンにも同様に接している感じ。まあ一応友好国からきた王女だし、妃になるのかもしれないし、適当に声かけておくか、こう言っとけばまあ間違いないかぐらいのノリ。

 

メンフィスとアイシスについては、 

というようなことを先日考えていたんですが、さらに加えると、海宝メンフィスはアイシスを普通に姉として慕っていたのだけど、キャロルに初めて恋心を抱いたことで姉上への態度が変化した、みたいな思春期の男の子みがあった。海宝メンフィス、姉の自分への恋愛感情に気付いてなさそう、というよりその意味を理解していなさそうな色恋への鈍感さがある。だからこそ、キャロルを好きになり恋をして夢中になった後の他の女はどうでも良い!が強い感じ。なぜなら初恋だから!それゆえアイシスにひたすら冷たいし、姉上の想いなど知りません、私は今キャロルを心から愛しているのです(真っ直ぐ!)という感じがする。

一方の浦井メンフィスは、それが恋愛感情かはさておき女をときめかせたり自分の虜にさせることに慣れがあって、恐らく姉の自分への好意にも気付いている。で、それを「あーまた姉上が何か言ってるなぁ」ぐらいの軽さで捉えていそうで、他の女同様にこうしておけば姉上も喜ぶだろう、みたいなことを前半はアイシスにしている感じ。ただ、キャロルを好きになってからは、もちろんアイシスは眼中にないから冷たくはするんだけど、姉が自分に抱いている感情の意味を知ったからこそ冷たくしているのかもしれないなとも思ったり。

初めて女に興味を持ち、眩しいぐらいに初恋に夢中、真っ直ぐにキャロルに恋をしているのが海宝メンフィス、特に女には困ってこなかったけど、キャロルに出会って初めて人を愛する感情を知って恋愛感情の重みを知ったのが浦井メンフィス、という感じだなと思いながら興味深く見てました。可愛さの種類に違いはあれどちらもかわいいことに違いはない。愛おしそうにキャロルを見つめるメンフィスは両メンフィスともとてもかわいかったですね…

 

 

3.イズミル

イズミル王子。私はイズミル王子のビジュアルが本当に好きです。一番好きです。露出度高めの周りの衣装の中で唯一白い布にぐるぐるに覆われた男イズミル。あの銀髪も最高に好きだし、片側だけ垂らされた後ろ髪も、布の使用量めちゃくちゃ多そうな衣装も全部、異国の不穏な王子の色気がたっぷりで大好きです。

 

大貫イズミル

さて、大貫イズミル。基本がクールかつ大人な感じがします。

大貫イズミルは行動原理がミタムンを殺された&ヒッタイトを舐めてくれるなよという静かな怒りにあるように見える。見目麗しくどこか芸術品のような美しさを持っているお方なのですが、ベースが冷酷そうなのでキャロルを鞭で打つ時とか容赦なさそう。「殺しはせぬ」が「殺したら人質の意味を為さないからな、ギリギリまでは痛めつけても殺しはせぬ」に変換されて聞こえてくる、怖い。品がある美しさを纏いつつも淡々と恐ろしいことをしそうなイズミル

大貫イズミル、恋愛感情を結構内にしまい込むタイプな感じがして、後半キャロルに惚れてはいるんだろうけどクールというか愛情表現がめちゃくちゃ下手くそなので愛情は伝わりづらそうなんですよね。でもマモミルも含めた3イズミルの中では一番キャロルが手に入ったら一途に愛しそうだし大事にしそうではあるなあと思います。色々ソツなくこなすけど恋愛は不器用そうな感じがしてギャップがかわいい。側近とか従者とかの男とばっかり普段話してる感じがする。

大貫イズミルは何と言っても決闘シーンの殺陣が大好きです。あの白いぐるぐる巻き(言い方)の衣装であの高さまでジャンプする身体能力に驚き見惚れてしまいつつ、大貫イズミルの靴下と絶対領域(?)が見えてしまった瞬間、「ハッ隠されたイズミルの肌を見てしまった……?!」とちょっと見てはいけないものを見てしまった気がしてしまう。大貫イズミル、戦いながらとても楽しそうに舞うので、この人は多分戦場で輝く王子なんだろうなぁと思う。戦で対戦相手として出会ったら、戦いながらもその美しさに魅入ってしまいそう。指先一つの動きまで美しくて、歩いていても、キャロルを鞭で打っていても、メンフィスと戦っていても、美しい異国の王子がそこにいる。個人的にメンフィスと対峙した時に「冷vs熱」という感じになるバランスの良さが好きです。

 

平方イズミル

妹愛が根底にあるイズミルだなぁと思います、平方イズミル妹を殺されたと知った時にまず、怒りより悲しみが強く滲む人。大事な妹を亡くした悲しみ、惨たらしい方法で殺された恨みでこの人は動いてるんだなと、すっと彼の心情が自然に入ってくる感じがある。

ただ、だからこそ自分がキャロルを好きになってしまった時の葛藤が大きいところがとても好きです。妹のための復讐を成し遂げなければならないのに恋心に惑わされる自分、憎きメンフィスが愛する女を愛してしまった自分、キャロルを愛おしいと思うたびに揺れている心情がぐっと伝わってくる。セチ含めエジプト軍が大勢死んだ時、ハッハッハと勝ち誇ったように笑うんだけれど、その後悲しむキャロルを見て表情を変える辺り、本来優しい人なんだろうなと思う。妹もだけど、大事な人の苦しんでる姿に弱いタイプ。人間らしくて推せる。あと、平方イズミルはキャロルに落ちた後は本当にキャロルを愛おしそうに見つめるので、愛情がわかりやすいですね。けれど決して自分に振り向いてはくれないキャロルに向けるあの苦しそうな目がとても好き。そんなキャロルを最後自分の手で傷つけてしまった時の表情も刺さります。

平方イズミル、初見時ちょっと色気がダダ漏れでびっくりしてしまいました。「うわっ……これはちょっと…異国に連れ去られるわ…むしろ自ら着いていくわ……」となってしまうイズミルがそこに居た。魅力がイミルのときから炸裂している、しかもイミルな平方イズミルは何とも甘美で妖しげな色気を放たれてるので非常に危険性が高い。なんか危険物質でも入ってる…?ちなみに後半は、妹の無念を晴らしたい、でもこの女が愛おしくてたまらぬという葛藤、この女を私のものにしたい、でもこの女の目線の先に私は入ることができぬ…という切なさ、悔しさから、更に違う種類の色気が増し増しになる。怖い。底なし沼の匂いがするイズミルでした。前方席で出会っていたらあぶなかった。

 

 

4.ウナスルカ

はい、ちょっとここはセットで語らせてください。個人的にキャラクターとしてはダントツで好きかもしれない不穏ルカ、見れば見るほど微笑ましく見守っていたくなる愛おしいキャラNo.1ウナス。

岡宮ルカ

私のファーストルカは岡宮ルカだったので、ちょっと初恋みがあります。とても好き。ルカというキャラクター、あの世界の中で一番自由に動き回り、不穏の種をそこら中に撒いていっては楽しそうに去っていくのがめちゃくちゃ好きなんですが、岡宮ルカは腹の底が本当に読めない感じがすごく良い。あんなに可愛い顔をして、さっくり墓荒らしの冤罪をなすりつけ、さらりとエジプトに入り込み、エジプト内を俊敏に動き回り内情を探る。そう、岡宮ルカ、本当に俊敏で気づいたらスタタ…っていなくなるし、気付いたらもう違う場所にいるんですよね。

エジプトに潜り込んでいるときも、一人でその心のうちの企みを語る時も、イズミル王子の元にいる時も、岡宮ルカは基本ポーカーフェイスで、心の外側に一枚膜が張られている感じがします。観客すらその本心を見せてもらえない。何考えてるか分からなくて怖いのだけど、明らかに有能で頭が回りそうなので、確かに私がミヌーエ将軍だったら雇いたくなってしまうかもしれない。エジプト兵の前でもヒッタイト兵の前でもイズミル王子の前でもそこまで態度の変わらない、二重スパイ能力のめちゃくちゃ高そうな人だなと思います。そんなポーカーフェイス岡宮ルカが冷たく吐き捨てるようにメンフィスに言い放つ「許しを請え」が大好きですね。

 

前山ルカ&ウナス

前山ウナスは前半に一度見たきり、私の乏しい記憶力ではもうあまり思い出せないのが難点……前山さんは私の脳内ではすっかりルカになってしまう。記憶をナイルから取り戻したい。…ので、すみません前山ルカの話をします。

前山ルカの好きなポイントは、何と言ってもスパイ活動を心の底から楽しんでいるところですね。将軍様〜!ってミヌーエ将軍に話しかけるところの前山ルカの猫の被り具合がすごすぎて、この人顔の使い分けがめちゃくちゃ器用そうだなと思うし、何ならその使い分けすら楽しんでそうな節がある。不敵な笑みがとにかく似合う前山ルカ。エジプトを陥れるために動き回る姿が非常に楽しそうで、キャロルが攫われた後に焦るメンフィスとエジプト勢を見た時のあの何とも満足げな顔がたまらない。ヒッタイトが優勢になっていくことへの「ふっ思い通り……」もあるんだろうけど、前山ルカはそもそも場を撹乱させるのが好きそう。自分が裏で色々仕掛けたことで表がごたごたしていくその様を斜め上から眺めるのが好きそうな愉快犯。悪くてとても好きです。

 

大隅ウナス

大隅ウナス、全観客を母の心にする特殊能力を持っている。とにかく可愛い、とにかく微笑ましい、とにかく応援したくなる。テーベで「ウナスがいれば大丈夫よ!」とキャロルに言われた時の大隅ウナスの可愛さはもう無形文化遺産に残すべきだと思う。嬉しくて誇らしくてたまらない様子で胸に手をあて、ナフテラに「聞きました???」とでも確認するように視線を合わせにいくウナス。この時のナフテラの「まぁ、この子ったら…」な母感もとても好きです。

その後のテーベダンスタイムでも完全にキャロルのファンなので、その後、キャロルがヒッタイトに連れ去られるのを見ていることしかできなかったウナスは本当に落差が激しくてかわいそう。頑張って抵抗しているけど布野郎達に追いやられてしまうウナス…あなたは頑張ったわ……!と心の中のウナス母が泣いてしまう。そんなわけで大隅ウナス、とても愛おしかったです。キャロルが戻ってきて良かったね……大事にするんだよ!!(母より)

 

 

5.アイシス

最後に、アイシス姉上。見れば見るほどアイシスアイシス……ってなってしまうアイシス。新妻さんが「(弟がひどい仕打ちをしてくるけど)お客様だけは私の味方だと思っていました」と東京楽カテコ挨拶でおっしゃっていたけれど本当にそう。見れば見るほどアイシス様の味方になってしまう。あんの弟め……今のアイシスの嬉しそうな乙女みたいな顔を見たか……貴様はなぜそういうことをする………とどんどんアイシス様強火担になっていくマジック。二回目の想い儚きへの拍手の大きさがそれを表していると思います、アイシス様。もちろんあそこの素晴らしい歌とお芝居自体への拍手ではあると思うんですが、私はそれに重ねてうわ〜〜〜んアイシスアイシス……私はあなたの味方です…!!泣かないで……!!!という気持ちもゴリゴリに込めて全力で拍手してた。

さて、アイシス姉上のお二方、ほんっとうに二人とも大好きなんですが、一番印象を言語化するのが難しいなと思う。アイシスって基本的に想いを秘めているキャラクターなので、それをどこまで隠すか、どう隠すのか、隠しているそれがどこでどんな風に滲んできてしまうのか、その秘めた想いがどんなものなのか、とかそういうところに違いが生まれてくると思うんですが、お二人ともすごく細やかにアイシスを作られているので、本当に言葉にするのが難しい。いや別に、言語化しなくちゃならないわけじゃないんですけどね。言葉にならない感覚をそのまま取っておくのもそれはそれで好きなんだけれど。でも、やっぱり素晴らしいものを見てきたら私は何かしらどうしても記憶に残しておきたくなってしまう。そうすると絵は描けない私は文章に頼らざるをえないので、もうこれはあれです、意地です。素晴らしいアイシス姉上の素晴らしさを頑張って書き残したい。

 

朝夏アイシス

美の権化、朝夏アイシス。すらりと伸びた長い手足、小さいお顔、美しいお顔立ち。分からない、こんなに美しい姉上がいたら普通は好きにならない?メンフィス。最初のご登場から、黒マントに身を包んでいるからほぼほぼ見えないにもかかわらず、頭身バランスに驚いてしまう朝夏アイシス。一体唯一見えているそのお顔が何個その黒マント部分に並ぶんだろうか。vsミタムンのときのお衣装のスリットから覗く足が長すぎて美しすぎて、完全に美しく恐ろしい魔女だった。私がミタムンならとりあえず手錠外してあんな恐ろしい美アイシスに喧嘩売らないで裏口から逃げる(話が変わってしまう)。

さて、美しさの話をいったん置いておけないぐらいには美しい朝夏アイシス様ですが、とりあえず置いておきます。

朝夏アイシスは、美しいけど可愛らしい人だな、という印象が個人的には強いです。メンフィスがファラオに即位するときの心から嬉しそうな表情、持っていた貢物の飾りをメンフィスに取られ更にはそれをキャロルに渡された時の「え…ちょっと?メンフィス、え…?」という驚きと信じられない、という表情、「妃となるやも知れぬ身の上」と歌うミタムンに「何を言ってるのこの小娘は」というように愉快そうに嘲笑う表情、キャロルに求婚するメンフィスを、それに賛同する周りを見て絶望する表情。朝夏アイシスは表情豊かなので、美しく恐ろしい一方で憎めない愛らしさがあるような気がします。メンフィスを見つめる朝夏アイシスの目は完全に恋する乙女のそれだし、邪魔者を排除するときは心の底から楽しそうなお顔をする。

朝夏アイシスは、メンフィスの想いの先が自分には向かないことに気づいているけど気づきたくない、気づいている自分に全力で蓋をして見えなくしているのかなという感じがします。メンフィスが自分に優しい素振りを見せるときには「ほーらやっぱり、メンフィスは私が大好きなんでしょう♡」という自信ありげな笑顔を浮かべるし、邪魔な女が現れた時も動揺はしつつも余裕のある姉の顔を保とうとする。結局メンフィスは最後には私の元に戻ってくる、最終的には私を選んでくれる、こんな女は取るに足らないわ、と必死に信じ込もうとしている。けれど、メンフィスに軽くあしらわれた時には一瞬傷ついた表情をする、「なんで」という顔。それがすごく切ない。

基本想いを隠し秘めているアイシスの素直な心情が見えるのが、彼女が歌で気持ちを表すときだと思うんですが、「想い儚き」の朝夏アイシスは、表のアイシスよりもどこか大人びていて哀しいんですよね。表情豊かでどこか少女らしさも感じさせる朝夏アイシスが、歌う時は陰りを帯びる。それは多分、蓋をしている本来の「気づいてしまっている自分」を歌う歌だからなのかな、と思います。ずっと想ってきたメンフィスに想いは届かないと本当は分かっている朝夏アイシスが哀しい。見ていて哀しいけれど、本心を歌う「想い儚き」の朝夏アイシスは一番自然体で、美しいなと思います。

 

新妻アイシス

キャロルから転生した新妻アイシス様。私は新妻キャロルはDVDで拝見しただけだけれど、あのキュートなキャロルの面影はどこにもなく、すっかり恐ろしいアイシス様になっておられた。

まず新妻アイシスは、姉プラス姑という感じがあるなと思います。メンフィスに近づいたが最後、確実にあの蛇の毒にやられてしまう。一途にメンフィスに愛を捧げる姉でもあり、隙のない最強のメンフィスの保護者でもある。子供の頃からずっと見守り、愛してきたこの愛しい私のメンフィスを狙うものがあるならば絶対に許さない、生きて返しはせぬ、という長年じっくり煮込まれた強く重い拗らせた愛が新妻アイシス様からは見える。

新妻アイシス、時折現れるメンフィスを狙う女のことは、本当に取るに足らない存在、害虫か何かだと思っていそうな感じがある。なぜなら邪魔者が現れたら自分が消せば良いことだから、そして消せる自信があるから。だから、ミタムンに対してもキャロルに対しても、朝夏アイシスほどに分かりやすく苛ついたりはしないんですよね。ただ淡々とまた邪魔臭い女が来たな、面倒だが消すか…と思っていそう。アイシスの背後で黒い炎がメラァって揺れるのが見える。余談ですが、私はvsミタムン時の、新妻アイシスの「よいのかぁ?」が怖くて怖くて大好きです。新妻アイシス絶対喧嘩をふっかけてはいけない恐ろしさがある。

新妻アイシスは基本的には落ち着いていて、彼女の感情が大きく動くのはメンフィスが関わるときのみ、という感じがします。メンフィスが即位したときには母のような誇らしげな表情を浮かべ、メンフィスに指輪を貰ったときにはプロポーズを受けた乙女のような可愛らしさを見せ、メンフィスがキャロルに叩かれたときには愛する弟に危害が与えられたことに心から動揺する。彼女の心はすべてメンフィスのためだけに動く。特にメンフィスが蠍に刺され命が危うくなったときの新妻アイシスが象徴的かなと思うんですが、メンフィスの命が脅かされること、そういう運命にあるメンフィスを嘆くアイシスはすごく弱々しいのだけど、その後の「死の翼よ触れるべし」では立て直してメンフィスを狙った輩をしっかり呪うんですよね。隙のない新妻アイシスの唯一の隙であるメンフィス。

さて、上で「基本想いを隠し秘めているアイシスの素直な心情が見えるのが、彼女が歌で気持ちを表すとき」と書きましたが、新妻アイシスの「想い儚き」はもう、一転してメンフィスをただ一途に想う女の子なんですよね。もちろん母であり姉であるアイシスも見えるのだけど、根底にあるのが女の子。あんなに落ち着いていて、邪魔者にもさして動揺せず、腹の底が読めない恐ろしく闇の深い新妻アイシスが、メンフィスへの想いを歌う時はただの女の子に見える。新妻アイシスは何となく、メンフィスの気持ちが自分に向かないことはもうどこかで分かっていて諦めていて、それでも私以外の女と結ばれるメンフィスを見たくない、そんなのは許さない、という一心でメンフィスの周りの女達を排除しているように見えるんですよね。でも、諦めているからこそ、心の奥底では子供のように悲しんでいる。なんで私じゃないんだろう、なんで私の想いを受け取ってくれないんだろう、というアイシスの女の子としての純粋な悲しさ、報われなさ。なので「私じゃない、私なら、いいのに」の根っこが朝夏アイシスよりも幼い部分に埋れている感じがして、小さいアイシスを抱きしめたくなってしまう。新妻アイシスのその外と内のアンバランスさがとても愛おしいです。

 

というわけで、この朝夏アイシスと新妻アイシスの違いに終始唸ってしまう話を頑張って書いてみました。ちょっと半分以上私のアイシス愛をこじらせた妄想な気もするけど、妄想として受け取ってください。どちらのアイシスもしんどい、でもどちらのアイシスも愛おしい。メンフィス、お前が抱きしめないなら私が抱きしめる!!!!!という気持ちになります。私はアイシス様が好きです!!!こじらせすぎてお二人の歌の話完全に入れ忘れてたけど、本当に想い儚きの歌、お二人とも大好きでした。切なくて悲しくてままならなくて、でもそれがぶわっと肌に伝わってくる歌が本当に素晴らしくて、毎回全力で拍手してました。聴けて良かった。

 

 

 

 

 

 *

と、いうわけで王家の紋章Wキャスト大感謝祭、無事書き終えました………!!!!

いや、全Wキャストのみなさんについて書きたいと思っていたので、まあまあな文量になるだろうとは思っていましたが、想定していた倍以上のボリュームになってしまった。書きたいことが多すぎた。ちょっと確実にペース配分を間違えて途中で力尽きそうになりましたが、書き終えられてよかった。好きなことを沢山お話しできて嬉しい限りです。さて、このめちゃくちゃな量のブログをここまで読んでくださっている方がいらっしゃるかはわかりませんが、もし今のこの文章にたどり着いてくださった方がいたらお礼申し上げます。私ひとりでは抱えきれない膨大な感想(と妄想)を一緒に受け止めてくださってありがとうございます!!!

 

本当は東京楽の昨日に完成させられたら良かったのだけど、ペース配分ミスにより1日経ってしまいました。ということで、あらためて東京公演完走のお礼と祝福を。

王家の紋章2021、本当にエンターテイメントとして素晴らしい作品を観られたなと思います。1幕も2幕も飽きさせることなくずっと楽しませてくれて、観客の心をしっかり古代エジプトまで連れて行ってくれる、観ているその間だけは、他のことは忘れてその世界に夢中にさせてくれる、この時期には本当にありがたい作品でした。

ミュージカル王家の紋章の東京公演を観られたこと、そして東京楽までたどり着く姿を見届けられたこと、本当に幸せです。また、冒頭にも書きましたが、私はこの作品でWキャストの醍醐味をたっぷり体感することができたので、お芝居や歌、身体表現、纏う空気感などその方の持つ全てで、担う役をそれぞれ違った形で表現されていた魅力たっぷりのWキャストの皆さんにもあらためて感謝を。どの役柄もどの組み合わせも、本当に全部全部素晴らしくて、毎回新しい発見の連続で、とても楽しく観させていただきました。幸せな体験をありがとうございました。

ただ願うことさえも少し躊躇ってしまう今の状況ですが、王家の紋章2021 を楽しませていただいた一観客として、最後までキャスト・スタッフの皆さんが元気に走り抜けて、笑顔で大千秋楽を迎えられることを心より願っています。どうか、博多座でも沢山の方が王家の紋章を楽しめますように。 

 

ありがとうございました!