140字の外

140字に収まらないもの置き場です。始まりは天保十二年のシェイクスピア。

The Roots2022

The Roots2022、行ってきました………!!

うわーーーーんもう本当に最高だった。戻りたい戻りたい戻りたい!!!私を紀尾井ホールに戻してください。

 

いやー本当に本当に本当に最高だった。ご本人たちも楽しそうにされてたけれども、本当に客も、いや客というと主語が大きいですね、私もめちゃくちゃ楽しかったです。拍手で「楽しいですありがとうございます!最高です!!」をガンガンに飛ばしましたが伝わってましたでしょうか。伝わっていたら嬉しいです、楽しかったので。本当に最高に幸せな時間でした。

さて、私は本来東京公演1日目、7/2の昼公演のみ参戦予定だったんですが、チケットが1枚また1枚と増え、気付いたら東京公演に全通しておりました。あれ節約の誓いはどこへ?とここ数ヶ月何回思ってるんだろう?まあいっか、悔いはありません(一片の悔いなし) (言いたいだけ)。2日間Roots詰め最高でした、ありがとうございます!

 

ということで、お礼も込めてこれを書き始めたわけですが、いかんせん4つ分の公演の記憶が頭の中にぎゅうぎゅう詰めになっているので、何を書いたらいいのやら。二日連続マチソワマチソワコンサートしたのは初めてなので流石に脳がパンパンです。all大好物豪華100種類ビュッフェに行ってたらふく食べてきたけど、お店出る間際に「5つだけ好きなの教えてください!」って言われてもエッ答えられませんが?!ってなると思うんですけどそんな感じです(どんな感じ)。文章にするには量が限られてくるので、めちゃくちゃ好きなものの中から更に好きなものを厳選せねばならない。しかも困ったことに2日間の過剰摂取により脳は余裕で容量オーバーなので4つの記憶がごちゃごちゃだし、そもそも一つ一つが良すぎるので記憶が飛びます。えぇ、本当に何から書いたらいいんだろう………

こういう時はそう、秘技・思いついた順から勢いで書いていく、です(嘘ですね、秘技でもなんでもなく大体これだよ………)。これの長所は迷いなく狂いながら書けるので楽しいところで、短所は理性が働かないのでミスると量が大変な量になるところです。記憶が薄れきる前に何とか形にしたいので書き終えられるぐらいの配分で書くよ!!!Let's go!

 

 

そんな訳で前置きが長くなりましたが、The Roots東京公演、7/2,7/3の話をしていきたいと思います。

 

さて、まずはお二人についてお話ししてもいいですかね。

加藤和樹さん、朝夏まなとさん(以下和樹さん、まぁ様と呼ばせていただきます )に招かれまして(?)やってきましたコンサートThe Roots2022ですが、何とまあ空間の居心地の良いこと良いこと………。コンサートやライブの空間はその場の主(主催者)によって空気感が決まると思うのですが、るーつ、空間の安心感がすごい。一応今回、お二人のことは存じ上げている人間として私は向かったのですが、仮にどちらもそんなに知らなかったとしても、安心してそこに居られるような気がした。なんというか、この人達絶対良い人だ……という安心感がすごい。空間が優しい。ピースフル。たぶん居心地の良さを空間に拡散させる空気清浄機ある。加えてお二人とも端っこや上の方の席まで意識を向けてくださるところとか(手を振ってくれたり目線をくれたりと)、お二人とも本当にステージに立って観客を楽しませるプロフェッショナルなんだなぁと度々思ったし、それよりも前の部分で、お二人も目の前の「人」をよく見ている方なんだろうな、という感じがしました。すごく観客として大事にしてもらえた感覚になるというか。幸せな空間でした。

と、いうわけでそんな素敵なお二人が終始素敵だったThe Roots2022について、以下バシバシ書いていきたいと思います。

 

(…………いや本当に最初から再生して、いちいち一時停止しては「ここの、ここがね!大変良かったですよね!!!」って一曲ずつやりたいところなんですが、恐らく全曲に触れていたら多分書き終わるのが秋ぐらいになってしまうので、やっぱり自分が特に好きだったなぁとか、印象に残っているなぁという部分の話をしたいと思います。時系列も守ろうとすると、多分順を追って全部書きたくなる真面目衝動に駆られてしまうので、適当に思いついた順に書きたいことを書きます。)

(何から書こう……)

 

 

お二人のデュエット編

夏色

これはめちゃくちゃ書きたかった。えっすごくすごく好きだった。

和樹さんもまぁ様もすごく、お二人とも格好良く美しく作り物のように見目麗しい一方で、小学生男児と女児のような健やかさがあるなとパンフレットを眺めながらも思ったんですが、その健やかさ、わんぱくさが存分に発揮されていた夏色。夏休みに太陽の下ではしゃぐお兄さんとお姉さんがそこにいた

この辺りはツイートもしたけど再放送。まぁ様が楽しそうに歌ってる右横でよだれダラダラ垂らしてる和樹さんめちゃくちゃふざけた兄さんで笑ってしまった。二人で線香花火してるのも自転車二人乗りしてるのも、ノリノリ夏のおにいさんおねえさんの感じでめちゃくちゃ好きでした。

夏色、曲調自体はめちゃくちゃ「夏が来たゼ楽しもうゼYeah!!」みたいな明るく楽しいノリノリ夏ソングのイメージがあって、実際夏楽しもうぜ!の曲でもあると思うんですが、歌詞としては、その夏楽しもうぜYeah!に乗れていない人に寄り添ってあげる曲でもあるんですよね。その人に「夏なのに辛気臭ぇ面してんな!」とは言わずに、ただそこに寄り添いすぎることもしないで、夏の楽しさをお知らせして、決して無理強いはしないけれど、「ほらどう?行ってみない?」と引っ張っていってあげる曲というか。今回の夏色、和樹さんもまぁ様も、すごく健やかに夏の日差しの下にいる陽気なお兄さんとお姉さんで「ほらほら夏楽しいよーー!!」「晴れてるよーー!!」「ほらチャリ後ろ乗ってけ!夏に連れてってやるよ!」という感じですごく好きでした。完全に陽。夏の太陽が似合うお兄さんお姉さんがいた。ただ、見守る優しさもたっぷり備えていそうなお二人なので、前面にそれは出さないけれど、そっと見守りつつも楽しい夏に誘う愉快な夏の案内人のようで、両面を持ったまさにこの曲みたいだな〜と思いました。すごく好きでした、夏色。

 

 

ジャニーズ編

本編では硝子の少年(KinKi Kids)、アンコールではマチソワ替わりで夢物語(タッキー&翼)、Venus(タッキー&翼)、とジャニーズソングをキメッキメに歌い踊っていたお二人。最終日ソワレは和樹さんの熱い要望により(?)(ありがとうございます)、スペシャルアンコール(マチソワ両方ver.)を浴びれて最高に楽しかったです。

私はそこまでジャニーズは通ってきてない人間なので「えっ観客踊れる人多ない?!www振り分かるの?!分からないよ?!!」と思いながらキメッキメに踊る二人をマスク下で爆笑しつつ(お二人ともあまりにバチクソperfectに決めてくるのでだんだんおかしくなってきてしまう)、オペラグラスで覗きながら楽しませていただきました。

アンコールのためにリハを一回増やしたというお二人。部屋にポスターを飾っていた少年、下敷きに切り抜きを入れていた少女、かつてそんなタキツバ大好き少年少女だった二人のタキツバ愛溢れるアンコール、めちゃくちゃ愛とプロ精神に満ちていて最高でした。好きなものを中途半端にしてたまるかというオタク精神と、やるとなったなら完璧に魅せてくるプロフェッショナルの技が合わさるとこんなにも素晴らしいものが見られるのですね。キラキラアイドルアンコール、双方イケ散らかしてて最高でした。ご馳走様でした。ネクタイに白シャツは学生っぽくて文化祭の後夜祭みたいだな〜と思ったし、肩にしゃらしゃら(あれ何て名前だっけ)かけてるのも愉快で最高でした。しゃらしゃらつけてグラサンかけてる和樹さん、海辺にいるホストみたいだったな……(余談)(海辺にいるホストって何?)

 

お決まりコント

さて、ここで記念にラストでタキツバを歌うためのお決まりの匂わせコント(後半もはやコントに見えてきた)のくだりをお送りします。

※以下ニュアンス記録

ま「部屋にポスターを飾ったり、下敷きに切り抜きを挟んだり……加藤さんはポスター貼ったりしてましたか?」

か「あぁ……貼ってましたね」

ま「おお〜…ちなみに誰の?」

か「それはちょっと……言えないですね」

ま「言えないんですか??」

か「ちょっとね、まだ今は………男性アイドルとだけ言っておきます」

ま「ほぅ、男性アイドル………」

か「朝夏さんはちなみにポスターを貼ったりは?」

ま「私はポスターは貼ってなかったですが、下敷きには入れてましたね」

か「………ちなみに誰の?」

ま「……それはちょっと……言えないですね」

毎回繰り返されるこのくだり、もはや後半戦は始まった瞬間にニヤニヤしてしまう。

日によって、

ま「部屋にポスターを飾ったり、下書きに切り抜きを挟んだり……」

か「下書き?」

ま「下敷きですね!!」

とか(かわいい)

か「姉が部屋にポスター貼ってましたね。女性はよく貼りますよね」

ま「………あれ?男性ですよね?」

か「はい……姉が貼ってたから、じゃあ俺もいいかなって………」

とか(かわいい)

ジャニーズトークにちなんで

ま「今回で加藤さんは大分ジャニオタだということが分かってきたわけですが、………ジャニーズに応募しようとかは思わなかったんですか?」

か「いやそういうんじゃないんですよ!わかります?そういうんじゃないんですよ。見ていたいんですよ、ただのファンなので………」

とか(オタクだ………………)

あと、アンコール前のまぁ様のイケボ台詞集

今夜は眠れなくなるぜ…?

みんな……目に焼き付けていってくれよな?

が格好良くてメロメロでした。紛うことなき超人気アイドルたった。低音ボイス最高。アンコールのまぁ様のイケ散らかし具合、天才でした。歌い踊る姿ももちろんなんですが、曲中にサングラス外すのも胸元にかけるのもめちゃくちゃイケメンのそれでした。おなごをときめかせ慣れている人のそれ。完敗。

ちなみにもし次のThe Rootsがあるとしたらお二人でジャニーズコーナーをやるそうで?(完全にまぁ様巻き込まれてただけだったけど)(ま「えっ私もやるんですか?」か「そうだよ!俺一人じゃできないもん」)めちゃくちゃ楽しみになりました。と言いつつジャニーズ全然詳しくないんですけど(人並み程度)、お二人がやるならいくらでも見たいじゃないですか。ところで次のThe Rootsいつになりますか?予定空けときますね!!!!!!!!

 

単発!これが最高でした編

坊やになりたいと生まれて初めて思った2022年夏

言うまでもなくまぁ様のプレイバックPart2の話です。本当にめちゃくちゃ格好良くて、4回とも事前に和樹さんに「心掴まれますよ」「撃ち抜かれますよ」「覚悟しておいてくださいね」とか忠告されたはずなのに、懲りずに毎回「か、か、かっこいい〜〜〜(倒)」となってしまった。ずっとオペラグラスで覗いてました。はちゃめちゃに格好良いまあ様から放たれる「坊や、一体何を教わってきたの」の破壊力たるや。

あれは全坊やが「ごめんなさい、僕は本当に何も分かっていなかったです………………僕は坊やです………」と平伏す「坊や」だった。全坊やというより全人類ですね、全人類まぁ様の前では坊やになります。生まれて初めて坊やになりたいと思ったし、気付いたらなっていた。初めての感情でした。プレイバックPart2を歌うまぁ様の前では人類皆坊やです

原曲では大人の女性の歌という印象があったんですけど(それこそ「坊や」で)、まぁ様が歌うことにより、年上の女性の「坊やったら何も分かってないのね」感に加え、男性としての格好良さを自分が熟知している人の「あーら、この子まだ何も分かってない(フフッ」の先輩感が加わると言いますか。あの曲を歌うまあ様に男性みがあるかというとそういう訳ではないんですが、それでも滲み出てしまう蓄積されたとんでもない格好良さはやはりあるので。坊やの先輩なんですよまぁ様は。坊やのずっと先を行く人なんです。坊やが見習うべき人なんです。そりゃ坊やは完敗なんですよ、坊や、まずはまぁ様に学んでこい、という気持ちになるプレイバックPart2でした。

 

 

One more time one more chance

これはもう本当にあまりにも…………最高でした。毎度まぁ様が終わるたびにすごい勢いで下手から拍手しながらダッシュで「パチパチパチパチ(ダダダダダダダ)」と出てこられてたんだけど、多分もう全観客あの気持ちだったでしょう……客席から走り出して拍手しに行きたいぐらいに最高でした。

これ以上何を失えば 心は許されるの」の歌い出しからもう心を掴まれてしまう。少しでも触れたら壊れてしまいそうなあの第一声から、あぁ、この人はどうしようもなく傷付いているんだな、と分かってしまう。過去の景色を今に見てしまう人。足りなくて、戻りたくて、戻らなくて、もう二度と帰ってこないものに手を伸ばしている人。交差点も桜木町も踏切も新聞も見えてしまうからすごい。和樹さんの歌う歌にはその人が見つめる景色が見えるのだな……と度々思うけれど、だからこそこの曲はまぁ様が仰っていたように、まさに「ぴったり」の曲なのだなあ、と。もうここにはないものを見てしまう歌。聴き手にもそれが見えてしまう。一つの曲のMVを見ているような、いやそれよりもっと長くてずっと密度の濃い、一つの物語を見ているような。たったの数分でその歌を聴き手に分からせてしまうからすごい。もう戻らないものを目に映す姿がなんて似合うんだろうか。聴いている側にもその目の先の景色を見せてしまうし、その歌の世界の色に会場ごと染めていた。毎回時間を忘れて聴き入ってしまったし、2日間ですっかり和樹さんの歌うこの曲の虜になってしまった。贅沢なことに2日間で4回も聴いてしまったので、もう今すでに若干ロスになっています。私ももうそこにはない和樹さんのOne more time one more chanceを求めて紀尾井ホールを見つめてしまいそうですね。どこに行ったら聴けるの…………。

(まぁ様、大変素敵な選曲ありがとうございました………!)

 

 

 

エリザメドレー編

さて、お次。こちらは絶対に喋りたかったやつ。加藤和樹の夢叶えたろかSPこと、二人でエリザベートメドレー。言うまでもなく最高でした!!!!!!!

本当に全曲、お二人とも一瞬でスッと纏う空気を変えてくるので、「………?衣装………変わったのでは…………?だって……違う人じゃん………………?????」と思ってしまうぐらいに別人だった。二人でエリザベートってできるんですね…………ふふふふ、エリザベート2022一足お先に観ちゃった…………


闇が広がる

正直この曲は歌われるんじゃないかな、と思ってはおりまして(だって全客が観たいに違いない)、ただ「あれ、でもどっちがどっちを歌うんだろう………?ええぇ、どっちも見たいな…………?え、2回やって…………?」と始まる前から心の中で駄々を捏ねておりましたら何と叶えてくださいました。世界すごい。駄々って捏ねたら叶うんだ!!!(勘違い)

かずトート×まぁルドルフから始まり、JtR方式でまぁトート様×かずルドルフにスイッチするThe Roots限定闇広。こんなに最高なことあります?始まった瞬間もゾクッとしたけれど、初日、その入れ替わりの瞬間を初めて見た時思わずしばらく息が止まってしまった。いや私だけじゃないはず、初見の人多分皆ヒュッてなるはずあれは。「?!??!?!?!(そんなことある?!?!)」ってなって数秒呼吸が止まる。多分心臓も止まってる。そして蘇生するまでにだいぶかかる。

それまで不安で瞳を揺らしていたまぁルドルフが、かずトートさんの肩に手を置いた瞬間、かずトートさんが強制的にかずルドルフになるんですよ?そんなことありますか…?!でもその後の最強まぁトート様を見ていればまぁトート様の強制ルドルフ化の技にも大納得してしまう。多分まぁ様全人類をルドルフにできる能力を持っている(なんか上でも似たようなこと言ってたな)。「トートのスイッチはすぐ入る」と話されておりましたが、一瞬で強強のトート様になってしまうまぁ様、すごかったです。

かずトートさんはJMFで拝見してから生で観てみたかったのでワアァァァありがとうございます…………の気持ちで見てました。座り込むまぁルドルフに近づき肩に手を添えるかずトート、不敵な笑みを浮かべまぁルドルフの顔の前に手を翳すかずトート、そのかずトートを不安げな表情で見上げるまぁルドルフ。本当に最高でした。見目麗しいお二人が作り上げるエリザベートの世界、もうここまでで、まず絵が大変美しいんですね。もちろん歌含めたお芝居も素晴らしく、もう大満足なんですよ。大満足なのに、……ここから更にそんな……入れ替わるだなんて……そんなまさか……ありがとうございます……ありがとうございます…………。その前までフッと終始余裕そうに妖しい笑みを浮かべていたかずトートが、突如まぁトート様に肩に手を添えられた瞬間、膝から崩れ落ち怯え戸惑うかずルドルフになるなんて………その前まで不安に呑まれていたまぁルドルフが、1ミリも隙のない完全体強強まぁトート様になって大逆転勝利を収めるなんて……………そんなことが………そんなことがあっていいんですか……………?あれ、本当にありました?(幻覚じゃないですよね?) 4回も見たはずなのに自分の記憶を疑ってしまう。あんな最高の形勢逆転劇、滅多に見れないですよ…………どうしようだんだん三点リーダーに文章蝕まれてきたので終わりにしますね………本当に最高でした……ありがとうござきました…………

 

夜のボート

闇が広がるのラスト「皇帝ルドルフは立ち上がる」でバンッと締まった後、夜のボートの前奏が流れ出してからのお二人の移り変わりがすごかったんですよね、本当に。なので、エリザベートメドレー全部最高だったんですが、この二つを選びました。

それまで絶対的な強さを放ち、完全に場を支配していたトートから、スッと人外の覇気のようなものが消え、静かな強さを持った女性へと変化していく。それまで戸惑い怯えながらも目の前の不安に立ち向かっていた若いルドルフから、途端に青さが消え、年齢や抱える苦悩から滲む重みが増す。まぁ様を見ていて、「わあ、人間になった……」と思ったし、和樹さんを見て「うわ、すごい急に老けた…………」と思ったんですよね。いつかのトークで和樹さんがまぁ様シシィについて「背中でもうだめだ…と分かる」「背中で語られる」と話されていたように、夜のボートのまぁ様シシィ、ものすごく分厚いシールドを強く張っているので、もうどうしようもないんだな……というのが明らかなんですよね。静かだけれどものすごく意志の強い拒絶。どれだけ言葉を尽くそうとももう届かないと分かる。曲が始まった瞬間から最後フランツを置いて去っていくまで、一度も彼に目線を向けない彼女が見ている行き先は、とうに定まっていて、もう決して変えられないのだろうな、と思う。その目が静かに見つめる先にフランツはもういないし、その声は聞こえていても、彼女の心の内に入ることはないのだろうな、と。

そして、上のトーク時に「悲しくてすごく猫背になってしまう」とも話されていたんですが、和樹フランツさん、本当にめちゃくちゃ猫背なんですよね。その周辺だけ重力10倍ぐらいあるんじゃないだろうか、と思うぐらいに肩に背負う空気が重い。どれだけ見つめても、もう彼女が振り返ることはない、どれだけ伝えても、もう彼女の心に自分の気持ちが届くことはない。それを恐らく頭では分かっていて尚、彼女を見つめ、追いかけ、語りかけてしまう。けれど彼女はもう戻らないし、自分との間にできた深い溝はもう埋まらないし、これから向かう先が交わることは二度とないのだと、恐らく伝えるたびに痛感するのだろうな、と、始まった瞬間からやつれて見えるのに、あの時間の中でどんどん傷を抉るように哀しさを深め、暗く沈んでいく和樹フランツさんを見ていて思う。低くて深い歌声とは対照的に、最後縋るように「愛してる」と伝える姿も、シシィが去った後ぽつん、と一人捨てられた仔犬のように立ち尽くす姿も、何とも小さくて脆いんですよね。

あの歌を聴いただけでそれだけの物語をこちらに感じさせてしまうお二人にすごいなぁ……と思いながら、すっかり聴き入ってしまいした。夜のボート。エリザベート全曲、コンサートで歌を聴いているというより、もうお芝居を観ている感覚で見入ってしまったのだけれど、特にこの曲は二人の作る世界に完全に引き込まれてしまった。

 

 

……と、いうわけで、二曲しか触れられませんでしたが、エリザベートメドレー、最高でした。全曲最高でした。何ならもっと見たかった。曲が切り替わるごとに本当に全く違う空気をスッと纏うお二人に毎回驚き、曲ごとに変わるそれぞれの魅力をたっぷり見せていただける贅沢な時間。エリザベート2022がより楽しみになりました。何かの魔法でチケット増えないかな〜〜

もっともっと何度でも見たいので、次もぜひやってください(次もある前提)。めちゃくちゃ喜びます。その際には残る和樹シシィも楽しみにしております。

 

 

■総括

さて、本来であればまだまだ書きたいことが山積みなんですが、これ以上書くとキリがなくなって永遠に下書きに眠ったままになりそうなので、この辺で一旦締めます。

(ちなみにこれはめちゃくちゃ余談なんですが、これを書くまでに恐らく保存をミスってか3000字ぐらい分ぐらいの下書きが飛んだのでこの総括を書くのは二回目です!なんてこった!心の虚無亡霊を成仏させるためにこの文を入れています。一回撮って編集もし終えた動画データが全部消えた時のYouTuberってこんな気持ちなのかな………なるほどこれはしばらく放心状態になりますね………まぁ、もう書いたことも忘れてしまったので気持ちを新たに最後に書きたいことを書いてきますね!go)

 

 

The Roots2022、行くまでももちろん楽しみにしていたし、きっと素敵な時間になるのだろうな〜と思いながら向かったのですが、結果、予想を遥かに上回る最高の時間を過ごせました………!!!2日間本当に楽しかった。「幸せだな〜〜楽しいな〜〜良いもの見てるな〜〜」をずっと感じながら過ごす時間、とっても健康に良い。多分2日間で何歳か若返った気がする。

今回あまり書けなかったけれど、お二人のゆる〜っとしたトークも楽しかったです。それぞれちょこちょこ出てくるわんぱく感が面白かった。片方がわんぱくしてる間は片方がツッコミに回る相互ボケツッコミ体制(大体配分が同じぐらいでバランス良くて面白いな〜と思った)してるのも、何となくやっぱり似たお二人だからこそなんだろうな、という感じがしました。あとは順番勝負ジャンケンタイム、「オラに力を分けてくれ…」言いながらも、あんまり会場から力を貰えない和樹さんも(一回客席方面にただ無言で手を伸ばして「大丈夫です、勝手に吸い取ってるんで」みたいなこと言ってて笑ってしまった。「問答無用で吸い取られたwwww」となった)、会場からの拍手でめちゃくちゃ力を貰うも何故かじゃんけんに三連続で負けてしまうじゃんけん弱々まぁ様も好きでした(毎回本気で悔しがってて可愛かったです)。あと、1984年に生まれました〜!の時に「おぎゃ〜〜」してるまぁ様も大変可愛くて好きでした。毎回「か、かわいい〜めでたい〜」の拍手しちゃう。あとはうっかり1079年の話をする平安時代の和樹さんも好きでした。ペットボトルと間違えてマイクを飲もうとして、一人でそれにずっとツボってしまうまぁ様も好きでした。すっかり慣れた「お父さん」呼びに、一応毎回「誰がお父さんじゃい!」しておく各回のお客さんに親切な和樹さんも好きでした。どっかの回で、1回目のお父さん呼びはスルーして「あっスルーするんだな……」って思ったら2回目になって「誰がお父さんじゃい!」してて面白かったです。確かまぁ様も言ってた)

…………あれ、最後にちょこっと書いてない部分盛り込もうとしたらめちゃくちゃ欲張ってしまった。とにかく歌の場面では最高に格好良く美しく決めてくるお二人が、トークの場面ではかわいらしくわちゃわちゃしていて大変楽しかったですという話をしたかった。お二人とも可愛いと格好良いの合わせ技の天才だ!と思いました。

 

あと今回、私は曲のドンピシャ世代ではないので、現場に向かう前は「うーん曲分かるかな〜〜」と思ってはいたのけれど、思っていたよりもずっと知っている曲も沢山あったし、仮に知らない曲であってもお二人とも置いていく空気がまるでないので、全然丸ごと楽しめました。

なんというか、観客全員おっきい船に乗せてくれて、誰一人置いていかず、安全運転の愉快な二人の船長が色んな景色を見せに連れてってくれるみたいなコンサートだなあ、と。ちゃんと常に乗せている客を見てくれているし、途中で海に投げ捨てていったりしないし(笑)、最初から最後まで幸せな気持ちでいさせてくれる。もちろんめちゃくちゃ楽しいし、次々見せてくれる景色は全て絶景なんだけれど、その根底に安心感があるからこそ、力抜いて楽しく乗ってられるんだろうな〜というようなことを思いました。

ちなみに今回初めて聴き馴染んだ曲は、私にとってはもうすっかりお二人の声で浸透してしまったので、お二人の歌になったわけですが、そうやってお二人の歌として出会えて良かったなと思える曲が沢山あったし、元々知っていた曲もまた違う印象で入ってきたりもして。何だか純粋に、やっぱり歌って面白いな〜というところに立ち返りました。その曲と、それを歌う人と、それを受け取る人と、そのタイミングとで、いくらでも違う音楽が生まれるのだな、と。大きな話で言えば時代によって印象がガラリと変わる歌もあるだろうし、小さな話で言えば聴く側の年齢や経験、何ならその日の気分レベルで、いくらでも出会い方が変わってくるわけで。そんな中、私はあの二日間で、和樹さんとまぁ様が歌う歌として出会えて良かったなぁと思える曲が沢山あったので、とても幸せだったなと思います。

あとこれは舞台を観ていてもいつも思うことだけれど、同じ空間の中で同じものを観ているけれど、一人一人は実質違うものを見ているようなもので、私があの2日間で貰ってきたものと同じものを受け取った人はいないんですよね。上で書いたように、一人一人がそれぞれの曲と、それぞれの出会い方をしている。ある人にとっては過去自分が聴いてきた曲との懐かしい再会であり、ある人にとっては心に残る曲との初めての出会いであったり。その瞬間そこにいる人たちだけで同じ空間を共有しているという感覚と、その同じ空間の中でそれぞれの経験をしているという感覚と、私はどちらも好きなのですが、あの時間の私にとっての記憶は、誰に訊いても分からない私だけのものなので、しっかり大事にしまっておきたいなぁ、と思います(そのためにこれを書いているというのもあるんですがね)。

 

…あれ?!またまた総括と言ったはずがどんどん長くなってきてしまったので、流石にそろそろ終わりにしたいと思います!

 

あらためましてThe Roots2022、J-POPパートもミュージカルパートも盛り盛りの盛り沢山で、本当にお客様満足度150%(主語がでかい)なコンサートでした!!最高に格好いい和樹さんも、暗く妖しい和樹さんも、心をぎゅぅぅと掴まれてしまう切ない和樹さんも、物語が後ろに見せてしまう和樹さんも、全部最高でしたし、あまりに最強に格好良くてひれ伏したくなるまぁ様も、時折少女のように可愛らしいまぁ様も、気品があるのにどこか可憐なまぁ様も、陰りを帯びた美しい大人まぁ様も、全部最高でした。お二人の色んな側面を次から次へと見せられ魅せられ心は大変大忙しでしたが、本当にたっぷり楽しめて心が満ちたし、充実した2日間になりました。行けて良かったです。1日中幸せ感情詰め詰めな贅沢な2日間を過ごせたので、だいぶ心の栄養補給になりました!

 

 

と、いうわけで最後にあらためてお礼を。

最高に幸せに満ちた時間をありがとうございました!ぜひまた次の機会をお待ちしております!!!!!!!!